学会の概要

租税法務学会の前身である桜税会は1990(平成2)年10月に発足しました。桜税会では、毎月例会が開かれ、裁決事例研究を中心に、税法学理論研究やケース研究が行われていました。故松沢智先生は、「『桜税会』裁決事例研究会の発足にあたって」(『Tax & Law』第1号2頁)で次のとおり述べられております。

「司法原理をふまえて『裁決例』に対し法の視点からのメスを入れ、従来の判例批評と同視点に莉却して論評を加える必要がある。創立後満二十年を迎えた審判所に対し、真の納税者の権利救済機関として期待にこたえているかを『裁決例』を通して検討すべく、ここに『桜税会』の名のもとに裁決事例研究会を開くことにした。」

2000(平成12)年に創立10周年を迎え、松沢先生の逝去後、2003(平成15)年10月18日に、桜税会を発展的に解散して、租税法務学会が設立されました。

租税法務学会規約第2条に、「本会は『租税正義の追究』を旗標に、松澤税法学理論の研究とその発展を通して、租税法実務界に租税正義の定着を図ることを目的とする。」とあるとおり、当学会の目的は、「租税正義」を旗標として、①「松沢税法学」を昇華・発展させていくこと、②税法学界のさらなる発展に寄与していくことにあります。

現在、当学会は、租税法学者、弁護士、税理士、財務事務官等、180名を超える会員によって構成され、毎月の例会と毎年10月に研究総会を開催しています。また、毎年1回、学会機関紙(学会誌)である『Tax & Law』(第1号(1999(平成11)年発刊)から第4号までは桜税会機関誌)を発刊しています。松沢賞(旧桜税会賞)は、当学会例会において研究発表し、『税務弘報』誌に掲載された事績につき、特に優秀なものと認められるものを常任理事会において推挙、総会にて承認され、表彰される学会賞です。原則として、松沢賞は、一年間の事績につき一点授与されます。